本記事は、2015年11月25日に開催された第1回安全運行サポーター協議会セミナーのパネルディスカッションの部の採録です。

  これまでの内容:
  ・イントロダクション
  ・ワールド自興株式会社の安全と健康への取り組み
  ・コフジ物流株式会社の安全と健康への取り組み
  ・明日から現場で活かす視点
 
  登壇者:

image: mr.takayanagi

高柳勝二(株式会社プロデキューブ 代表取締役)

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青木正勝(ワールド自興株式会社 代表取締役社長)

image: mr.dousaka

堂坂佳延(コフジ物流株式会社 代表取締役社長)

image: mr.hirai

平井隆志(国土交通省 自動車局安全政策課長)

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竹村公一(損保ジャパン日本興亜リスクマネジメントマネ
ジメント株式会社 自動車コンサルティング開発本部 部長)

image: dr.sakai

酒井一博(安全運行サポーター協議会 会長)

 

「一次予防、二次予防、三次予防」と、取り組みへの推進力の要

 

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それでは、ここからパネリストの皆さんから、今回発表いただいたお二方への質問等を、お伺いしていこうと思います。(高柳勝二)

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先程、ワールド自興の青木さんの発表の中で睡眠計の話をされていたと思うのですけれども、ドライバーの方からの協力は容易に得られるものなのでしょうか。「そんなのやりたくないよ」と、ドライバーの方の協力を得にくいという話をよく耳にします。何かそうした部分での工夫はありますか。(平井隆志)

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私どもでは、協力してくれ、といった形で、半ば強制的にやってもらいました。私がどちらかというと、ワンマンなところがあるからかもしれませんが、イヤだ、という者はいなかったように記憶しています。ただ、自分の「欠点」を会社に知られるのはイヤだな、といった感想はいくつか後から聞こえてきました。(青木正勝)

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やはり導入のスタート部分は、トップの方の推進力、というものが必要かもしれません。(高柳勝二)

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青木さん、堂坂さん、お二人の発表をお伺いして、私が一番興味を持ったのは、情熱は同じくされている中で、考え方と具体的な方策に、それぞれ違いがあるように思いました。ワールド自興の青木さんは、健康診断を55歳以上では3回行おうと考えておられ、それは恐らく病気というものを早く見つけて、早く直してあげよう、という思いからなのではないかと察します。これを私たちの言葉で言うと「二次予防」と言います。一次、二次、三次予防という考え方があり、早期発見・早期治療というのは二次予防になります。それに対して、コフジ物流の堂坂さんは、健康診断ももちろんやっているのだけれど、家族を巻き込んで、日々の生活の中で予防していこうというやり方で、これは「一次予防」です。では、三次予防は何かと言うと、復職、病気になって休職した方を早く元の職場に復帰させるための対策です。これからメンタルや認知症が問題になってくると、三次予防も必要になってくるかと思います。
少なくとも現在、本日ご発表いただいたワールド自興の青木さん、コフジ物流の堂坂さん、お二人は、一次予防・二次予防にそれぞれ熱心に取り組まれており、その違いがどこからきているのかは、今後、あんサポ協議会の活動をよりよいものにしていくためにも、非常に参考になるポイントではないかと思いながら興味深く伺っていました。(酒井一博)

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ワールド自興 青木さん、コフジ物流 堂坂さん、お二方にお伺いします。様々な取り組みをされるにあたって、管理職の旗の振り方が大事だと思うのですが、その辺りは、どのように工夫されたのでしょうか。(竹村公一)

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管理職については、週一回集め、今週の目標等、各種確認を行っています。その中で、突如「風邪をひいて休む」などの報告もある中で、乗務員の健康問題は課題としており、事前に把握することはできないかと、国から義務づけられている項目だけでなく、様々な検査の受診を検討するなど、留意しています。(青木正勝)

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追加で青木社長に伺いたいのですが、社員研修に行かれる際の運転は自社の方がされるのでしょうか。(高柳勝二)

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そうです。行きと帰りは別々の者が担い、新人がいる際には、往復、各々2名体制で運行し、参加者全員での研修の場としています。仲間が揃う中で緊張するのか、非常に面白い雰囲気の中での研修機会となっています。(青木正勝)

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道中、先輩ドライバーの助言を仰げる、あるいは、先輩ドライバーの良い運転を見せる場と、とても良い機会だと思います。
またお酒の飲み方や、同部屋であれば各人の寝姿などから、更なる気づきもあるかもしれません。(高柳勝二)


 
image: panel discussion

 
 

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本記事は、2015年11月25日に開催された第1回安全運行サポーター協議会セミナーのパネルディスカッションの部の採録です。