職業ドライバーの眠気とSASという病気
今では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)という言葉を知らないドライバーはいないくらい、病名はポピュラーになりました。しかし検査や治療を行っている人は、まだ少ないように思います。
睡眠不足や疲労と病気であるSASには大きな違いがあります。睡眠不足や疲労は、しっかり眠ると改善されます。しかしSASは眠るほど、悪化する病気です。それは眠ると舌が気道を塞ぎ呼吸が止まるからです。呼吸が止まると心臓は心拍数を増やして酸欠を補おうとするので、脳も休む間がありません。窒息している時間や回数の多い重症者である程、心臓も脳も休めていないのです。SASは高血圧、不整脈などの循環器障害や様々な合併症が起きることも知られています。
1日のサイクルの中で、元気な人でも眠気の起こる時間帯があります。SASの場合は、知らない間に眠っていたり(瞬眠)、目が開いていても脳が休止モードに入っている場合など眠気の自覚症状が無い事が特徴です。
職業ドライバーにとってSASは個人や会社だけの問題ではなく、事故を起こせば社会問題に発展します。医療下で治療・管理を行って運転業務に就かせている事業者も増えてきています。
事業者の皆様は、ドライバーの方にSASについて検査や治療の理解と共に会社の方針等を説明し、ドライバーの健康管理や配慮、対応をなさってください。
NPO法人ヘルスケアネットワーク
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