安全運行サポーター協議会の設立とご協力のお願い

2014年6 月

 2012 年4 月に多くの犠牲者を出した関越自動車道高速ツアーバスの居眠り運転事故以来、社会的関心が高まった長距離バスや路線トラックなど運送事業者による安全運行性の担保は一刻の猶予も許されない状況にあります。プロドライバーの健康や過労に起因した事故の再発防止に向けた取り組みへの社会的ニーズは日増しに高まっています。国民生活物資や産業活動資材などの貨物輸送、及びバス、タクシーなど旅客輸送に携わるプロドライバーは、一般産業労働者に比べて労働時間は有意に長く、彼等の労働生活の質向上は喫緊の課題です。
 健康や過労に起因した事故の再発防止を考える上では、従来の運行・労務管理体系に加え、プロドライバーの健康状態を含め、一元的に安全運行を支援する仕組み作りが必要となります。
 運送事業者における運行・労務・健康管理の一元化に向けては、プロドライバー個人の健康意識の向上はもとより、簡便、動的かつ安価に健康状態を把握する技術や製品・サービスの開発、運行管理業務に健康状態を加味していく上での実務知見の創出と適用、さらには健康状態が故の個人情報保護への配慮が不可欠です。
 一方で、荷主や消費者など需要者側においても、これまで以上に安全性を重視する風土やプロドライバーが疲弊しない共働的な事業運営など、運送事業者側の改善努力を実効性のあるものへと後押しする社会的構造も重要な要素となります。
 したがって、運送事業者や運送事業関連団体をはじめ、関連する学識経験者、運行・労務・健康管理の一元化に利用可能な運行支援機器・サービス・健康管理機器・サービス提供者、コンサルティング・講習機関、さらには荷主などの需要者側も含め、総力を結集し連携した上での取り組みを行っていくことが肝要となって来ました。
 そこで、運送事業者の健康や過労に起因した事故の効果的な再発防止に向け、国土交通省自動車局の政策とも波長を合わせる形で、民間を主とした取り組みを行う組織として「安全運行サポーター協議会」を設立し、研究、環境整備、政策提言に向けた活動をここに行うことと致します。
 以上、本協議会設立趣旨にご賛同される方々には会員になって頂く、又は恒常的に助言を頂くなど、お力添えをよろしくお願い致します。
 
設立発起人 公益財団法人労働科学研究所 所長 酒井 一博
賛同企業・団体・有識者 神奈川大学 工学研究所 客員教授 堀野 定雄

以上