安全運行サポーター協議会 会長 酒井一博
私たちは2014年11月28日に安全運行サポーター協議会を立ち上げました。
運転を生業(なりわい)とする運輸業においては、昼も夜も「モノを運び」、そして「人を運ぶ」ことで私たちの生活の根っこを支えます。
運転をするのは生身の人間です。調子の良い日もあれば悪い日もあります。運転をつづけると疲れてくるし、度を超えるとへばってきます。困ったことに眠くなることもあります。眠い状態で運転を継続することはいうまでもなく危険なことです。また、歳を取ってくれば、それ相応に疾病の兆候があらわれます。
協議会には、人、とくに運転を生業とする人たちをいろいろな角度から支える企業、そして支えようと燃える人たちが次々に手をあげています。すでに運行管理と労務管理と健康管理を一体的にとらえ、働きがいのある運転環境を実現している運輸事業者も数多くあります。また、運行管理を支援する機器やシステムを開発するメーカー、運転者のヘルスケアを支援する機器を開発するメーカーもあります。わが国においては、一つひとつの企業のパワー、つまり民の力は抜群なものがあります。
「安全運行サポーター協議会」では、こうした民の力を自発的に結集することで無限大の力に変えていきたい。そのために運輸現場のニーズをよく学び、課題を設定、それを異業種の融合によって解決するというモデルを目指しています。その過程では、当然行政の皆さんとの連携に配慮していきます。
直近の課題は、健康・過労起因事故の効果的な防止です。無論、解決には多面的なアプローチが必要ですが、まず技術でどこまで迫れるか、高度な安全運行管理の仕組みをいかに築けるかについて、さまざまな経験、実績をつき合わせたい。それらの活動を通じて安全の確保と運転者の労働生活のレベルアップが図られ、運輸業界が魅力的な産業に変身することによって人材不足の解決など、経営環境の改善につながるといった良循環の輪ができ上がることが理想です。
「安全運行サポーター協議会」は、技術と人と仕組みで運輸の現場と連携していきたいと希求しています。どうか、本会の目指すところをご理解いただき、是非、「安全運行サポーター協議会」に参加し、ご発言ください。民の力で国内にかぎらず国際的に誇れる成果を挙げましょう。
2015年1月8日